ノード運用周波数

■  ノードの運用周波数について
ノードが電波を発射できる周波数は総務省が告示で定めた周波数の利用区別に従わなければなりません。144/430MHz帯はJARLが公開している「バンドプラン」における「VoIP区分」と「全電波型式(実験・研究用)」区分がWiRESなどのVoIP無線ノードが電波を発射できる範囲になります。VoIP区分がない29/50MHz帯や1200MHz以上では広帯域の電話区分が使えますが、29MHzは29.51~29.69MHz(但し29.60は不可)。50MHz以上(144/430MHzを除く)は全電波型式(実験・研究用)区分の利用がお勧めです。
 VoIP区分内では、基本的に10kHz台が偶数の周波数(例 430.72/430.74/430.76…MHz)を20kHz間隔(ステップ)で利用しますが、都市部を中心に
10kHzステップでの運用が行われています(奇数の周波数も利用されている)。ナローFMとナローC4FMなら10kHzステップで運用可能なので、限られた周波数を有効に利用するためにも10kHz間隔で運用できる「ナロー」で運用しましょう。

■ WIRESノード(FMまたはC4FM)で使える周波数(144/430MHz帯のみ抜粋)
144.51~144.60/ 145.66~145.78MHz(145.80MHzは衛星と混信するのでNG)
430.71~431.00/ 438.01~439.00MHz
※ 144/430MHzでは、上記の範囲以外は事実上使えません(システム的に現実的ではないものの、SSBやAMで運用する場合は狭帯域の電話区分は使える)。
※ 全電波型式区分は昔からグループで周波数を固定して使っている、いわゆる「クラブチャンネル」が多いので運用の際には細心の注意が必要です。特に 145.66MHz~145.80MHzでの運用は避けましょう。
※29MHz/FMでの運用は 29.00~29.30MHzは避けたほうが良いでしょう。52、1200MHz帯は比較的すいています。

■ ノード運用周波数の混信リスク軽減のための工夫と配慮
→ 明らかに混信を与える恐れがある周波数または出力およびその状況下での運用はトラブルを誘発します。50W出力でALL JA CQ ROOMに接続しっぱなしにすると無線機が高い確率で壊れます。
→ ALL JA CQ ROOMへの常時接続はMIDまたはLowパワーを推奨します。

■ すでにノードが運用されている周波数での運用は慎重に
運用しようとする周波数で他のノードが入感する場合には、その周波数で運用することは基本的に不可能です。例外的にDSQL、TSQ、DSQ活用で解決できる場合がありますが、他のノードの送信出力など複雑な要素がからみます。運用できそうな周波数が見つからない場合は、「あまり飛ばないアンテナ」を使うなどの工夫をしてみましょう。最初は、ダミーロードを使い、運用場所の建物内や近隣で使いようすをみるのもよいでしょう。
→ 周波数を選定する場合はよくその周波数の利用状況を調べてから運用を開始しましょう。
→ 運用周波数選定の際は、数日以上、ワッチまたはVOX付きのレコーダなどで録音するなどして利用状況を把握することをお勧めします。

■ 区分境界周波数の利用は慎重に
 アマチュアバンドの使用区分の告示において「区分境界周波数は下の区分に含まれる」と定められており、区分上端の区分境界周波数(431.00MHzなど)の使用は違法ではなく、はみだしもOKです(総合通信局へ確認済)。一方で、430.70MHzなどの下端周波数は使えません。
ただし、145.80MHzはアマチュア衛星との通信に影響を与えるので、145.80MHzでは絶対にノードを運用しないようにしましょう。アマチュア衛星は国際的なとりきめにより周波数が決まっているので、国内法ではどうにもならない部分があります。アマチュア無線家のマナーとして必ず守りましょう。

ルームを利用する意思がない局の音声やノイズをルームに送信しないための対策
→VoIP無線ではトーンスケルチまたはDCS、DSQ(デジタルの場合)を使用し、ノード局を利用する局かどうかを判定するのが一般化しています。特にVoIP区分でノード局を運用する場合はTSQ、DCS、DSQは必須です。
→トーン周波数は 88.5Hzを避けることをお勧めします。違法局がが88.5Hzを利用しているケースが散見されるので。お勧めは123Hzです(慣習)。
→デジタルだから大丈夫と思い「DG-IDを00-00」などに設定すると、同じ周波数を利用するC4FM運用局の音声を無条件でルームや接続先に送信してしまうのでトラブルの元になる可能性が高まります。DG-IDは00-00以外、例えば 00-02(02の部分は00以外の任意の数)に設定しましょう。

■ スケルチレベルは高めに設定しましょう
スケルチのレベル設定が低いとノイズなどの障害発生の原因となる場合があります。

■ FM運用でも古い無線機は使えないことがある
トーンスケルチ、DCSを使用していても、10年以上前に製造された古い機種や、八重洲無線以外の機種ではたとえ新しくてもWIRESノードに使えないもの(スケルチ信号がTSQと連動しない、例:IC-2820など)があります。FT-8900,FT-8800は時間が経つとDCSがうまく動作しませんので、この2機種の利用は避けたほうが良いです。