運用慣習(運用ルール)

WIRES-IIの時代から培われてきた運用ノウハウおよび慣習に基づくALL JA CQ ROOMの運用ルール(利用ルール)を解説を添えて示します。ALL JA CQ ROOMのご利用にあたっては、ご理解とご協力をお願いいたします。
不適切な利用行為はやむおえず予告・理由の開示なく利用(接続)をお断りする場合があります。

■ 運用ルールの目的とそれがおよぶ範囲
・ルールの目的
 ALL JA CQ ROOMをご利用いただく方が安心して快適に利用できる環境を維持すること。
・ルールの適用範囲
 ALL JA CQ ROOM(A/D/A2/D2)
 ID #20510、#20610、#20509、#22001

■ ALL JA CQ ROOMの運用ルール
【交信時間について】
・1交信は10分以内がメドでトータル15分以内が目安となっています。
 「トータルで」は交信終了時にすぐに呼ばれた場合を想定。
 その場合、連続交信が可能ですがトータルで15分以内とします。
・記念局等の20610(ALL JA CQ ROOM D)での時間制限はありません(但し要配慮)。
・定例のOAMなど管理チームと協働で行うイベントに時間制限はありません。
【ソフトウェアの設定について】
・運用周波数を公開する場合は適切に。
・ノードIDはできる限りコールサインを使用願います。
・アナログ(FM)ノード運用局はDTMFミュートをAudio muteに設定願います。
・DG-ID(00-00以外の00-02など)、TSQ、DCSのいずれかを適切に設定願います。
【禁止されていること】
・EchoLinkやリフレクターなど他のVoIP無線システムとのゲートウェイ。
・携帯電話・スマホとのリンク運用。
・品位に欠ける言葉づかい。チャット機能での暴言や不適切な書き込み。
・音声またはチャット機能を使った他局への誹謗中傷、不快感を与える行為。
・ALL JA CQ ROOMを使う意思のない局の音声をルームへ送信すること。
・スケルチ解放音(ノイズ)をルームへ送信すること。
同一ノードを使った交信。高頻度なDTMF送信。無変調送信。ノイズ送信。
 ※同一ノードを使う局同士の交信はALL JA CQ ROOMに音声が流れている
 認識がある場合は問題なしとしますが、すみやかにシンプレックスにQSY
 するなどの工夫をお願いします。
・異常な頻度でのルーム IN/OUT。
・異常な頻度でのカーチャンク(またはそれに類するもの)
・コールサインを言わないまたは頻繁なテスト送信。
・ポート未解放ノードの接続(PDNを除く)
・非公開ノードの接続(コールサインが判明しないレベルの非公開局)。
・不適切なノードIDを設定している局。
・公序良俗に反する行為、法令違反(不適切な周波数での運用など)。
・その他、管理チームが禁止・不適切と判断した行為。

「ノードの設定不備」や「禁止されていること」が行われた状態の場合、その原因となったノードについて予告なく音声がブロック(ミュート)されたり接続が制限されることがあります。これは多くの人に迷惑がかかる、またはかかる恐れを防ぐために行っているものです。結果として原因となっているノード運用者の名誉も守ります。

[参考]ノード運用開始時に確認したほうがよいこと

  • 音声の送受信レベル
     
    WIRESソフトの設定で 表示(V)->オーディオ調整 で調整します。
    ウィンドウ左上の[設定]をクリックして「プリセット音量」を選択。FTM-400Dシリーズ、FTM-100D、FTM-300シリーズの場合はプリセット音量で HRI-200モード無線機 を選択、そのほかの場合は「従来型FM機」を選択すると推奨値に設定されますが、従来型FM機は必ず調整が必要です。
  • セットアップやポートの穴あけ(開放)
    WIRESソフトのツール(T)->通信ポートチェック を開きポートチェックを行い、全てOKが出る状態で接続をお願いいたします(PDNを除く)。
  • 「ROOM接続中の割り込み要求接続許可」にチェック
    設定箇所はファイル(F)→設定(P)→詳細設定-呼出設定 の中です。

  • LOCALインジケータの確認
    LOCALランプが点灯しっぱなしの状態でルームに接続するとアクセス制限が行われてしまうので、解決してからにしましょう。
  • 運用周波数の設定と公開を!
    →ループ現象が発生した場合の原因究明に役立ちます。
    →公開リストに周波数を出したくない場合は、メッセージ欄へ記入。
    →無線機を使わずに運用する方はコメント欄にその旨を明記がお勧め。
    ※ダミーロード運用のノード局は公開の必要はありません
  • ノードの点検計画を万全に
    何日もノーチェックで放置するなどの運用は避けましょう。

■[参考]他のVoIPネットワークとのALL JA CQ ROOMのゲートウェイ

  • ALL JA CQ ROOMへのEchoLinkゲートウェイ運用は禁止です。
    (DTMFやアナウンスが流れたり、テストサーバに接続してしまうなどのトラブルが想定され、音質が悪いため)
     

■[参考]レピータノード局・リンク局からのALL JA CQ ROOM接続について

  • レピータリンクノードの24時間常駐は避けるべき
    理由:3局以上のレピータ局の常時接続は総合通信局が定めた審査基準上で禁止されています。
  • ハングアップタイムの影響が著しいノード局はルームを利用する時だけ接続するようにします。理由はリバウンドが発生する恐れがあるためです(リバウンドの意味はQ&Aに記載)。

■ ALL JA CQ ROOM に接続できない/音声がルームに上がらない措置ついて

 ALL JA CQ ROOMでアクセスが制限される主な原因は以下のとおりです(抜粋)。アクセス制限はノード単位で行われ、接続できなくなったり、送信しても接続局表示が緑色に変わらなくなります(音声がルーム向けに送信できなくなる)。

  • 「スケルチ解放ノイズ」や「ルームを利用する意図のない局」の音声が流れた
    理由: ノード(ルーム)を利用する意図がない人の音声が他のノード局から送信されることを防ぐためと公衆網接続のガイドラインを遵守するため。
    【対策】→ ノード局の無線機の設定でトーンスケルチやDCS機能を有効に設定。
    【対策】→ デジタル運用に変更し、DG-IDを00-01などに設定(00-00は避ける)
  • ループ現象が発生した(ループについて詳しくはQ&Aページに掲載)
  • 推奨される設定を行っていない(DTMFミュートを設定していないなど)
  • カーチャンクの多発やDTMF mute設定なし、コールサイン設定不備
  • 交信やチャットで暴言を吐いたり,社会通念上不快とされる言動を行った
  • 交信中・呼出中に妨害行為が発生した
  • 明らかな違法行為を行った場合
  • ユーザーによるいたずらや不快な言動・操作が行われた場合

■ リンク、ゲートウェイ、ゲストオペの解釈,そのほかについて

  • 各ノード局からネット側(0510/20510)に送信される音声等について
    管理チームでは、ノード局からネット側に送信される音声等はそのノード局を運用される方の自己責任と考えています。よって、無線機を使わずにオペレートする運用、ゲストオペレートなどの件は運用者のご判断と責任においてご対応いただき、管理チームによる運用方法の関与は必要最低限のものに限られています。

    一方で、ALL JA CQ ROOMの快適にご利用いただけるように、トラブルの原因となるノードに制限をかける場合があります。 
  • 免許状が1枚の局が2か所以上の場所から同時期に電波が出ている状態は?
    [ノードと同一コールサインでのノードアクセスについて]
    (2023年12月24日更新)
     2018年未明より行政側では、事実上、ノードと同一のコールサインでのアクセスは適切ではないと解釈するようになりました。そこで、自分のノードを自分でアクセスする場合は、次のうちいずれかの方法をお勧めします。
    ① 自分のノードをノード運用場所・その他の場所から電波でアクセス
    ・ノードを社団局コールサインで運用し、個人コールサインでアクセス
    ② 自分のノードをノードと同じコールサインでアクセス
    ・ノード・アクセス機の両方をダミーロードで運用する
    ・PDNダイレクト運用を使う
     WiRES等のインターネットを介する無線システムは「アマチュア無線と公衆網との接続のための指針」に従い運用する必要があり、運用にはさまざまな条件が付されていますが、社団局でノードを運用することで解決できると考えられています。
      社団局は2人以上の無線従事者を構成員とすれば開局申請が可能です(2人でも可)。
    申請様式…https://jq1yda.org/topics/wires/shadan/index.html 

    (参考)2016年5月時点から2018年未明までの解釈
    (2016年当時の総合通信局の考え方に基づき、当Webで公開した原文)

    ノード局と同じコールサインでノード局から離れた場所(「おでかけ」というレベル)からそのノード局をアクセスしたい場合は、ノード局を設置する場所を無線設備の設置場所として移動しない局の無線局免許の交付を受け、別途、移動する局の無線局免許の交付を受けておくと安心です。これは上級局が移動する局と50Wを超える送信出力の移動しない局の免許を得る場合と同じ手続きですが、50W以下でも固定局の無線局免許は得ることができます。免許人が同一人でもコールサイン(や免許状)が異なっていれば問題ないという解釈です。WIRESノード局に社団局が多いのはこのような理由によるものです。なお、このような運用は25年以上前のパケット通信の時代から行われており、今に始まったことではありませんが、誤解を受けないように工夫する必要があります。なお、将来に渡ってこの解釈で通用するかどうかは定かではありません。社団局免許を得るなどの工夫をお勧めします。社団局は個人の開設申請に必要な書類のほかに定款と2名以上の構成員リストを作成すれば申請可能です。(2016年5月現在)

  • (参考)現在の解釈と運用(2018年11月17日に追記した原文)
    上記のように、ノードの運用管理の観点から社団局免許を得るなどの工夫をお勧めしてきましたが「将来に渡ってこの解釈が通用するかは…」のとおり、最近になりノード運用名義局についての解釈に変化が見られます。
    ご自分のノードに自分でアクセスする際は、ダミーロード等を利用するか、PDNダイレクト運用で楽しむ、またはノード局を社団局のコールサインにすることを強くお勧めします。
    ノードを社団局にした場合、アクセスする側は個人または別社団のコールサインを利用します。
    (WIRES-IIの時代のものですが今でも使えます/一部リンク切れです)
    ノードのコールサインを変える手続きはWIRES-X Webサイトからオンラインで申請でき、ノード番号は変わりません。

 問い合わせ先について

まずは運用経験が豊富そうなかたにご相談いただくことをお勧めします。
メーカーはアカウントの発給、ネットワークのMCUサーバーの運用と接続キットの流通に関する件への対応のみです。ルーム自体の運用や維持管理に関してはユーザーに委ねられています。管理チーム宛てのメールはWiRES-Xの各ALL JA CQ ROOM接続時にポップアップする情報画面に記載されています。